坐骨神経痛の症例2 女性 30代 看護師
患者
女性 30代 看護師
来院
2014年 8月
症状
半年前にお子様をご出産後、骨盤矯正ベルトを装着しているうちに右股関節まわりに痛みが出現した。右下肢にかけて痛みとしびれが広がり歩行が困難なほどの痛みとなる。
右足をつくと臀部と股関節から下肢にかけ痛む。
圧痛は臀部の梨状筋に強い。
夜間痛も強い。
施術と経過
(施術の効果には個人差があります)
腰の痛みより臀部の梨状筋の痛みや反応が強いため「梨状筋症候群」も視野に入れ施術を進める。
右を上にして横向きで腰部と臀部への筋膜リリースを行う。
同じ姿勢で鍼灸施術。ツボは「腎兪」「大腸兪」「臀中」「飛陽」に刺鍼と灸。
置鍼5分。
横向きで固まっている腹部の調整。
腰部と臀部に皮内鍼をした。
シップとコルセットをして終了。
同様の施術を週2回のペースで続け、2週間後にはうつ伏せになれるくらい痛みが消失し、6週間後に施術を修了。
まとめ
産後は筋力と体力ともに低下しているため、体を傷めてしまうと時間がかかる傾向にある。もともと腰痛持ちだったこと、妊娠中に身体のメンテナンスをあまりしなかったことも腰痛・坐骨神経痛を起こした原因かとおもう。
妊娠中は5キロから10キロ、またはそれ以上体重が増える。
お腹も前方に突き出る姿勢となり、腰椎の前弯が増強される。股関節の可動性は制限されて筋肉は硬化しやすい。
産後の腰痛予防のためには、妊娠中に腰方形筋、梨状筋、内転筋だけで固まらないようにしておきたい。
ホルモン(リラキシンなど)によって出産のために調整された骨盤は、産後ゆっくり修復していく。基本的には骨盤は自然に修復されるので、骨盤ベルトは無理にしなくてよい。
腹部の筋肉が低下しているため、腰が「ガクガク」したり不安定になりやすいので、腹帯やコルセット、晒をすることで腰痛の予防に繋がる。