頭痛の症例
頭痛(ずつう)の症例
すべての症例を掲載するのが困難なため、一部を紹介します。
施術の効果には個人差があります。
頭痛の種類
慢性頭痛の中でもっとも多いのが片頭痛です。片頭痛とは片側だけがズキズキと痛くなる頭痛で、頭の毛細血管が圧迫されることにより痛みが出現します。
筋緊張性頭痛も多い頭痛のひとつで、首から後頭部の筋肉が過緊張を起こすことで、後頭神経を刺激し痛みが出現します。筋緊張性頭痛は後頭部、または頭全体がしめつけられるような痛みが出ることが特徴です。 |
症例1
患者
女性 12歳 中学生
来院
2014年 2月
身体の特徴と経過
以前から時々あった頭痛の症状が1か月前より強くなる。朝起きる痛み出し、学校を休むことが増えてきたため病院で精査するも脳などの異常はなく「起立性調節障害」の可能性を指摘される。痛み止めの薬を処方されるが変化がないため試すだけでもという思いで当院を受診。
既往歴(これまでにかかった病気)
特になし
施術の内容と経過
首や肩の筋肉の緊張が強いため緊張を和らげたあと鍼施術。接触鍼という鍼を刺さずに「当てる」方法を用いて反応の強いツボに対して治療した。ツボは首の付け根にある風池、天柱や頭にある角孫、百会などの他、触診し反応の強いポイントを使用した。
術後は頭痛が和らぎ、翌日は学校にも行けるほどになった。
2回目は接触鍼ではなく鍼を数ミリ刺入させる方法で施術を進めた。初回時に強かった筋肉の緊張もいくらか変化していた。
3回目の来院時にはさらに痛みがなくなっており鍼施術と頸椎の調整を行った。朝も問題なく学校に行けている様子だったので、今回で施術を終了できた。
生活指導
朝は食欲がないから何も口にしてなかったが、マグネシウムを多く含んだミネラルウォーターを一杯起きたら必ず摂ってもらうようにした。
姿勢の指導。
まとめ
水泳をしている子だが姿勢は良いとは言えなかった。猫背は後頚部の圧迫を招き、「後頭神経痛」を起こしやすくなる。顎が前方に出るため「ストレートネック」になりやすいなど、あまりいいことはない。
症例2
患者
男性 35歳 僧侶
来院
2015年 7月
身体の特徴と経過
20日前より急に発症。病院では「片頭痛」「筋緊張性頭痛」と診断され薬により痛みが少し和らいだが、ズキズキする痛みが取り切れないため来院。
既往歴(これまでにかかった病気)
特になし
施術の内容と経過
頭痛の方に多くみられる特徴は、第一頸椎と後頭骨の狭窄と胸鎖乳突筋の短縮性収縮。それらを取るべく手技を行ったあと、「風池」「上天柱」「肩外兪」への刺鍼。仰向けにて「角孫」「脳戸」「合谷」への鍼を行い初回時は終了。
1週間後の2回目の施術時には、頭痛は取れていた。
まとめ
原因が分かれば頭痛はよくなることが多い。今回の症例では初回時から頭のツボにも鍼を打っているが、痛みの状態によっては頸部や頭に打たずに手や足のツボを選ぶこともある。頭痛への鍼灸は刺激の量(ドーゼ)が多過ぎると良い結果は出ないことがある。
症例3
患者
女性 36歳 会社員
来院
2015年 5月
身体の特徴
何年も慢性的な頭痛に悩まされ、ひどくなってはマッサージに通ったり、アスピリン系の鎮痛剤を飲んで痛みを我慢していた。
それでもなかなか改善しないのと、不妊で病院にも通院していて、鍼灸が頭痛と不妊に良いと知り来院。
既往歴
不妊、肩こり、冷え症
施術の経過
痛みは後頭部から頭全体に広がる筋緊張性の頭痛。
初診時足がとても冷えていたため、全身調整の鍼灸に加えて足首にある「三陰交」「大敦」の施灸した。
頸椎の歪みの調整と頭部筋膜調整のあと、残っている頭の反応点であった「角孫」と「百会」に鍼をした。
10日に1回ほどのペースで治療を進めるが、冷え症の変化はあったが頭痛に関しては変化がなかった。
5回目の治療から頸椎の動きに明らかな変化があり、術後の頭痛の軽減がみられた。
7回目の施術の際、「ほとんど頭痛がなくなった」と言われた。
さらにそれから2週間後妊娠していると報告を頂いた。
その後も頭痛が再発するのが不安だからと、2週間に1回のペースで出産ぎりぎりまで来院してくれ、H28年4月に無事に元気な男の子をご出産された。
まとめ
足が冷えがなくなると身体全体の血流が良くなる。そして「酸欠」を起こしている首や頭の筋膜の収縮が和らぎ、後頭神経などの過剰な興奮が治まる。やはり頭痛には全身調整が必要。
そして出産直前まで鍼灸を頼りに、大きなお腹で遠くから(船橋市)来院してくれたのは、治療家としてとても嬉しかった。
※施術の効果には個人差があります。